152 :あなたのうしろにニャジローが… 2001/02/25(日) 11:33:00
…大した事無いと思ったんだが、少しいいかな。 

12年前、近所の社の祭りで、ヒヨコ釣ったんだわ。 
体が歪んでて、ちっと畸形(すまんな)が入ってた。 
それでも懸命に俺の後ついてくる姿がいじらしくて、 
さんざっぱら可愛がって甘やかして育てた。 
俺が学校から帰ってくるとすぐに膝の上乗ってきてさ、 
うとうとしだすんだよな。 
でもな。寿命ってあるんだよな。どんなヤツにもさ。 
冷たくなってくアイツ抱えて、すっげぇ泣いたよ。 
でも、月日が流れると忘れるんだよな。忙しさなんかに負けて。 
その頃仕事で散々悩んでて、精神的に切羽詰ってた。限界が来ていたんだと思う。 
ある日、熱出して寝込んでいたら、胸の上に軽い重みがかかってさ。 
それと同時にぺったりと何かが喉にへばりつくんだよ。 
瞬間思い出せた。アイツの重みと鶏冠の感触。甘えるようにいつも 
そうやって俺の上に乗ってきていたヤツの重みだ。変わってるだろ? 
涙が止まらなかった。そんなに心配かけてたのかと思うと。 
俺は思い切って転職した。今、別の会社で頑張ってる。 

多分に幻覚だと思う。けっこう熱が高かったから。 
それでも俺はもう忘れない。変り種の相棒の事だけは。